令和7年度日本庭園学会関西大会 「社寺境内と庭園の植栽整備―南禅寺・醍醐寺(下醍醐)を巡る―」

 令和7年度日本庭園学会全国大会では、文化財庭園の植栽管理・育成を考える」とのテーマで、大分県内の事例について現地検討会・シンポジウムが開催されました。これに引き続き、関西大会では京都の事例について、特に庭園と寺院境内の植栽との関連について注目し、現地検討会・講演会を行う予定です。
 第1日目の現地検討会では、南禅寺と醍醐寺を訪れます。本年、複数の琵琶湖疏水関連施設が新たに国宝・重要文化財に指定されることが発表され、琵琶湖疏水に再び注目が集まっています。
 午前の部では、南禅寺界隈にある琵琶湖疏水を用いた別荘庭園群の一つ流響院(南禅寺界隈の別荘地開発を行った塚本与三次邸の西側部分にあたる。岩崎小弥太別邸となった。旧織宝苑)と、南禅寺発祥の地である南禅院庭園の特別見学を行います。
 南禅院は方丈の屋根葺替のためしばらく拝観が停止されていましたがこの春に工事が完成し、現在庭園の護岸・中島・植栽などの修復整備が行われています。その様子もご案内する予定です。
 午後の部では、護岸や植栽、築山、茶室等について、平成の大修理が行われた特別史跡・特別名勝醍醐寺三宝院庭園の見学を行います。金堂や五重塔などの寺宝とともに、近年の台風被害以降、植栽等の整備が進められつつある醍醐寺境内(下醍醐)を植栽整備担当技術者とともに巡る予定です。
 第2日目は、講演会ならびに研究発表会を行います。午前中に講演会、午後から研究発表会を行います。研究発表については下記のとおり申し込みを受け付けます。
 なお、予告からプログラム・講師に一部変更がありますことをご容赦願います。



【1 日目】令和 7年 11 月 15 日(土) 

現地検討会 9:30 〜 17:00

(午前の部)9:30 〜12:00
流響院と南禅院庭園の特別参観
集合場所:南禅寺三門(京都市左京区南禅寺)
集合時間:09:30(受付開始09:15)
アクセス:京都市バス「南禅寺・永観堂前」下車徒歩約10分。もしくは京都市営地下鉄「蹴上」下車徒歩約10分
*2班に分かれ、流響院と南禅院庭園約1時間ずつ見学します。
【講師】
流響院:吉村龍二氏(環境事業計画研究所所長)
南禅院:仲隆裕氏(関西支部長、京都芸術大学教授)

*午後の会場への移動及び昼食は各自でお願いいたします。京都市営地下鉄「蹴上」から「醍醐」が便利です。

(午後の部)14:00 〜17:00
*午後の会場への移動及び昼食は各自でお願いいたします。京都市営地下鉄「蹴上」から「醍醐」が便利です。醍醐駅ビル内に飲食店がありますのでご利用ください。

醍醐寺境内、醍醐寺三宝院庭園の特別拝観
集合場所:醍醐寺 三宝院唐門前(京都市伏見区醍醐)
集合時間:14:00(受付開始13:45)
アクセス:京都市営地下鉄東西線「醍醐」駅下車徒歩約15分
【講師】吉野裕仁氏(樋口造園)

【2 日目】令和 7 年 11 月 16 日(日) 

講演会及び研究発表会 10:00 〜 17:00(予定)
会  場:京都テルサ西館3階 第2会議室(京都市南区東九条下殿田町 70 番地/ 新町通九条下る)
アクセス:近鉄「東寺駅」下車、東へ徒歩約5 分。市営地下鉄「九条駅」下車、西へ徒歩約5分。JR「京都駅」下車、八条口より南へ徒歩15 分。

(午前の部)
09:45 ~ 受付開始

10:00 ~ 11:50
講演会
講演1 文化財庭園の発掘調査と保存整備
-醍醐寺三宝院庭園と南禅院庭園を中心として-(仮)

【講師】南 孝雄氏(公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所)

講演2 流響院庭園の整備と管理
【講師】吉村龍二氏(環境事業計画研究所所長)

11:50
休憩・各自昼食。学会理事は理事会。

(午後の部)
13:30~ 16:50  
研究発表会

13:30〜13:50  発表1 「江戸の大店 高崎屋と絵師・長谷川雪旦」
加藤元信(文京区教育委員会真砂中央図書館)

13:50〜14:10  発表2 「都市公園におけるヒーリングガーデンの展開―神戸市磯上公園ヒーリングガーデンを事例として―」
小山拓朗 (神戸市建設局中部建設事務所)

14:10〜14:30 発表3 「増加する外国人観光客に対する庭園ガイドのあり方に関する研究」
菊池正芳(公益財団法人東京都慰霊協会)

14:30〜14:50 発表4 「對龍山荘庭園の改修時期についての考察」
マイケル・シャピロ(植彌加藤造園株式会社)

15:00 閉会



大会参加の申込について

◆参加方法
 現地参加もしくはリモート参加(Zoom利用)のいずれかを選択いただけます。なお、現地検討会は、現地参加のみ可能でリモート配信は行いません。
現地検討会への参加者数は50人を上限とし、公平を期すため、申込先着順とします(2日目のプログラムは、50人以上でも受け付けます)。

◆申込方法
 Eメールにて事前にお申し込みください。
①氏名、②会員・非会員の別、③参加プログラム(現地検討会・講演会・研究発表会)、④現地参加・リモート参加の別、⑤当日に連絡可能な携帯電話番号、を明記ください。

参加申込期限:令和7(2025)年10月31日(金)
参加申込先:naka@kua.kyoto-art.ac.jp
担当:仲隆裕(関西支部長)

大会参加費(当日申し受けます)
学会員 2,000円(学生は1,000円)
非会員 4,000円(学生は2,000円)
※上記金額に資料代を含みます。参加費は、1日のみの参加でも同額です。
※現地検討会参加者は拝観料として別途2,000円。

※リモート参加者は事前振込をお願いします。
参加費振込期限:令和7(2025)年11月10日(月)
振込先(郵便振替)
・加入者名:日本庭園学会
・口座番号:00140-3-659842

* リモート参加者には11 月15日(土) までに、Zoom にログイン用の ID とパスワードをメールにてお知らせします。



研究発表概要

発表1 江戸の大店 高崎屋と絵師・長谷川雪旦
加藤元信 (文京区教育委員会真砂中央図書館) 
江戸時代に作庭された庭園の研究は現在、武家や公家、寺社に関わるものが主体となっている。江戸市中、日本橋を起点とする中山道と日光御成道(中山道)の一里塚で、両街道の分岐点である駒込追分の地に所在し、「現金安売り、掛け値なし」の堅実な商いで財を成し、江戸屈指の大店に成長した高崎屋。『江戸名所図会』の挿絵を担当した長谷川雪旦の手になる「高崎屋絵図」に描かれた庭園の構成と、大店の店主と絵師の関係について考える。

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発表2 都市公園におけるヒーリングガーデンの展開 ―神戸市磯上公園ヒーリングガーデンを事例として―
 小山拓朗 (神戸市建設局中部建設事務所)
近年、都市公園はレクリエーションや防災機能に加え、市民の心身の健康増進に資する場としての役割が注目されている。神戸市の都心に位置する磯上公園では、公園再整備にて「都心のオアシスとなる緑の癒しの空間」をコンセプトに掲げ、日本庭園の技法を用いた「ヒーリングガーデン(癒しの空間)」が設けられた。ここでは、都市公園に本格的な庭園を作庭した事例として、磯上公園の癒しの空間創出と維持管理の現状、展望について報告する。

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発表3 増加する外国人観光客に対する庭園ガイドのあり方に関する研究
菊池正芳(公益財団法人東京都慰霊協会)
 訪日外国人はコロナ禍の令和3(2021)年には24.5万人まで減少したものの、令和6(2024)年にはコロナ禍以前の3,188万人を上回る3,687万人にまで増加している。訪日外国人の急増に伴い、浜離宮恩賜庭園や小石川後楽園といった東京都の管理する庭園への外国人来園者数も増加してきている。彼ら外国人は、どのような資料に基づき東京の庭園を観光場所と決めたのか、来園の目的は何か、庭園に対して何を求めているのかといった来園の要因を明らかにすることによって、今後の庭園観光を世界に発信していくための課題と解決策を明らかにする。

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発表4 對龍山荘庭園の改修時期についての考察
マイケル・シャピロ(植彌加藤造園株式会社)
對龍山荘は京都南禅寺界隈に作庭された近代庭園別荘群の中でも最高峰に位置づけられる名園である。現在では、對龍山荘庭園は明治38(1905)年までに改修されて現在の形になったという説が有力となっているが、その具体的な改修時期を同時代の文献によって検証する研究はまだ存在しない。本発表で筆者がこれまで調査してきた文献を紹介しつつ、對龍山荘の改修時期について改めて考察する。


=====以下、募集については終了しています。=====

研究発表の募集について

◆申込み方法 
 令和7年度(2025)全国大会における研究発表を募集します。会員の皆様におかれましては、奮ってご応募ください。発表者氏名・所属・題名・連絡先を明記し、発表概要(200字程度)を添付のうえ、下記の「発表申込み先」までお送りください。Eメールでのお申込みをお願いします。
※発表時間は15 分間、質疑応答は5 分間です。

発表申込期限:令和7(2025)年9月7日(月)
発表申込先:naka@kua.kyoto-art.ac.jp
担当:仲隆裕(関西支部長)

◆研究発表要旨 執筆要領
 全発表者分を研究発表要旨集(資料集)として印刷し、当日参加者に配付します。原稿はそのまま版下としますので、下記リンクより書式見本をダウンロードし、作成をお願いします。横書き2段組、1段あたり25字40行です。分量は、A4判で2もしくは4、6、8ページとします(奇数ページでの原稿は受け付けませんのでご注意ください)。提出に際しては、WordファイルとPDFファイルの両方をご提出ください。発表時間は15 分間、質疑応答は5 分間です。

要旨提出期限:令和7(2025)年10月31日(金)
<参照>