1.関西大会趣旨
令和8年度の関西大会では、「社寺境内と庭園の整備ー園城寺(三井寺)を巡るー」のテーマのもとに、3つの国宝建造物(金堂・光浄院客殿・勧学院客殿)と2つの名勝庭園(光浄院庭園・善法院庭園)を中心に、現地検討会を行います。研究発表会では、6件の研究発表が予定されています。
滋賀県大津市、琵琶湖南西の長等山中腹に広大な敷地を有する三井寺は、正式名称を「長等山園城寺(おんじょうじ)」といい、天台寺門宗の総本山です。平安時代、第五代天台座主・智証大師円珍和尚の卓越した個性により、天台別院として中興されました。以来今日まで続く千二百年以上の歴史の中で、源平の争乱、南北朝の争乱等による焼き討ちなど幾多の法難に遭遇しましたが、智証大師への信仰に支えられた人々によって支えられつつ、苦難を乗り越えてきた様から、「不死鳥の寺」としても知られています。(園城寺HPより)
数多くの文化財のうち、今回探訪する金堂は秋季の特別公開、光浄院客殿・勧学院客殿は特別拝観です。
名勝善法院庭園は、昭和9年(1934)に名勝に指定されましたが昭和16年の山津波によって埋没してしまいました。このたび保存活用計画並びに庭園の整備基本計画が策定され、復元整備事業が始まりました。
現地検討会並びに講演会では、三井寺の歴史と文化について学びつつ、社寺境内と庭園の整備の現状と課題について意見交換を行いたいと思います。
2.関西大会概要
主催:日本庭園学会
日程:令和8年11月14日(土)、15日(日)
会場:①園城寺(三井寺)
所在地:滋賀県大津市園城寺町246
電 話:077-522-2238
アクセス:京阪石山坂本線 三井寺駅より徒歩7分
京阪石山坂本線 大津市役所前駅より徒歩12分
JR東海道本線(琵琶湖線)大津駅 または JR湖西線大津京駅より京阪バス三井寺下車すぐ
②京都テルサ西館3階 第2会議室
所在地:京都市南区東九条下殿田町70
電 話:075-692-3400
アクセス:近鉄「東寺駅」下車、東へ徒歩約5 分
市営地下鉄「九条駅」下車、西へ徒歩約5分
JR「京都駅」下車、八条口より南へ徒歩15 分
3.関西大会プログラム
[1日目]令和8年11月14日(土)
現地検討会 09:30 〜17:00(予定)
【現地検討会講師】
日向進氏(京都工芸繊維大学名誉教授)
吉村龍二氏(株式会社環境事業計画研究所所長)
09:30 集合: 園城寺(三井寺)仁王門前
09:50 現地検討会 午前の部 国宝 光浄院客殿・国宝 金堂・名勝 善法院庭園
12:30 昼食 境内の食堂・風月(事前申込:精進料理2,200円)
13:30 現地検討会 午後の部国宝勧学院客殿・観音堂ほか
16:30 終了
[2日目]令和8年11月15日(日)
公開講演会及び研究発表会 09:45〜16:40(予定)
09:45 受付開始
10:00 公開講演会
講演1 史跡名勝善法院庭園の保存整備計画の概要
吉村龍二氏(株式会社環境事業計画研究所所長)
11:05 講演2 園城寺旧正蔵坊の建築と庭
日向進氏(京都工芸繊維大学名誉教授)
11:55 休憩/学会理事は理事会
13:30 発表1
14:00 発表2
14:30 発表3
15:00 休憩
15:10 発表4
15:40 発表5
16:10 発表6
16:40 終了
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4.参加方法
大会参加は11月9日(月)まで受付ます。下記「参加申込書」をご利用の上、速やかにお手続きください。期限を過ぎた場合は関西支部へメール(naka@kua.kyoto-art.ac.jp)で問い合わせてください(電話・ファクシミリは不可です)。
【参加費】
学会員 3,000円(学生は2,000円)
非会員 4,000円(学生は3,000円)
※上記金額に資料代、現地検討会費用を含みます。参加費は、1日のみの参加でも同額です。
※現地検討会における昼食は、希望者に大会側で精進料理を予約します。境内食堂にて個別におとりいただくこともできます。
※予約した精進料理の昼食代は別途2,200円を当日にお支払いください。
※講演会のみの参加は、無料です。ただし、資料集を希望される場合は、1冊1000円で配付します。
【参加費振込期限】
令和8(2026)年11月9日(月)
振込先(郵便振替)
・加入者名:日本庭園学会
・口座番号:00140-3-659842
※事前振込をお願いします。
5.問い合わせ
関西大会の内容に関する問い合わせ先
日本庭園学会関西支部事務局 関西支部長 仲隆裕
naka@kua.kyoto-art.ac.jp
6.研究発表の概要
発表1:大原・来迎院 旧善逝院庭園遺構の調査その4
発表者:マレス・エマニュエル、岡本宙、田中琉心、寺澤真帆、日開悠仁、森澤秋里、米澤優也、野田峻平(京都産業大学文化学部)
【概要】2022年より、京都産業大学文化学部マレス・エマニュエル准教授のゼミナールに所属する学生は、同京都産業大学文化学部 鈴木久男元教授と共に、京都の洛北、大原の来迎院に残る旧善逝院庭園遺構の調査を行なっている。2022年に実測調査、2023・24年は発掘調査を実施し、2025年からは整備に取り掛かっている。 今回は整備の進捗状況を紹介しながら今後の主な課題をまとめる。
発表2:『韻勝園』と『韻勝園梅譜』─江戸後期における旗本庭園の概念化
発表者:春田章博(春田環境計画事務所)
【概要】本論は、江戸後期の武家中層に成立した、園芸実践・教養・文人交流・記録文化が結節する文化的庭園を新しい庭園類型「旗本庭園」として概念化することを目的とする。春田久啓の『韻勝園』を事例に、旗本の禄高・屋敷規模・家臣構成など家政条件を再分析し、園芸を媒介とした文化的空間が中層旗本に成立し得たことを示す。本論は都市武家地の庭園文化に新たな視座を提示するものである。
発表3:京都桂離宮と中国蘇州の留園における植栽の比較
発表者:王 晟尧(長崎大学大学院総合生産科学研究科)・五島聖子(長崎大学環境科学部)
【概要】本研究は、京都の桂離宮と中国蘇州の留園を対象に、両国で名園とされる池泉回遊式庭園における植栽計画と植物の役割を比較する。留園は、清代に整えられた中国四大名園大名園の一つで世界遺産にも登録されている。本研究では、それぞれの庭園における代表的景観を3つずつ取り上げ、日中両国の庭園における植物による景観の構成、植物と建築の関係、植物の鑑賞と体験の関係を分析する。さらに庭園植物の管理方法と計画を比較し、日中庭園における植栽と建築の考え方の違いを明らかにする。
発表4:周辺環境・建築・行為から亭(東屋)を分類する試み
坂井 禎介(奈良女子大学研究院 生活環境科学系 住環境学領域)
【概要】本研究は、『日本国語大辞典』にみえる山亭・野亭・水亭・花亭・茶亭などの語義と史料上の用例を整理し、現存する亭の分類を試みる。各類型を定義し、具体例の立地・建築構成・利用行為を検討することで、名称が表す性格とその重なりを明らかにする。これを通じて、亭を周辺環境・建築形態・行為が結びつき、庭と建築が一体となる空間として捉え、茶や数寄屋を中心とする従来の理解を広げ、亭の歴史を描き直す視点を提示する。
発表5:中国詩論から日本造園論へ
-『築山庭造伝・前篇』における『翰林詩法』の受容
発表者:陳 昱廷(大阪大学人文学研究科)・劉 銘(国学院大学観光まちづくり学部)
【概要】本研究は、江戸時代の造園書『築山庭造伝・前篇』を対象に、「気象体志」に着目し、日本の造園思想と中国の詩論との関係を考察する。 まず、明代の詩論書『翰林詩法』に見られる思想と語彙が、北村援琴によって選択と再解釈され、日本庭園の41種の「姿」として体系化されたことを明らかにする。さらに、各「姿」の主題、解釈文、庭園図の相互関係を分析することで、北村が中国の詩論をいかに造園論へと転換したのかを論じる。
発表6:無鄰菴はどうして京都市に寄付されたのか?
発表者:マイケル・シャピロ(植彌加藤造園株式会社知財企画部)
【概要】無鄰菴は、明治27~29年にかけて造営された、明治・大正時代の政治家・山縣有朋の別荘で、現在は京都市に所有されている国指定名勝です。山縣は明治政府の指導者の一人であり、また無隣庵は山縣自身の指示に基づいて作庭されたことから、彼が無鄰菴に対して抱いていた思いが、その本質的価値の検証ための指標とされてきた。先行研究では、山縣の作庭意図を明らかにしようとする試みが多いが、本発表では、死後に無鄰菴を京都市に寄付するという山縣の意志に注目し、彼の無鄰菴への思いを再検討してみたい。
(以下、受付終了しました)
研究発表の申込みについて
発表申込み方法
発表者氏名・所属・題名・連絡先 ( 住所、電話番号、電子メールアドレス)・会員種別を明記し、発表概要(200 字程度 ) を添付の上、下記関西支部事務局担当者宛電子メールで送信してください。
【研究発表申し込み期限】令和8年10 月2日( 土)12:00 必着
研究発表申込み者は、下記の要領で発表要旨を提出願います。研究発表会においては全発表者分を研究発表要旨集として印刷し、参加者に配布(実費)します。原稿はそのまま要旨集の版下とするため、ワープロソフトを使用して作成願います。文量は、A4 判で 6 ページ程度とし、モノクロ印刷とします。
Microsoft Word もしくは PDF ファイルを添付した電子メールで下記関西支部事務局担当者宛送信してください。文字数及びページレイアウトは、学会誌の論文の書式に準じてください( 横書き 2 段組、1 段あたり 25 字 40 行 )。
執筆にあたっては、下記の規定をご確認のうえ、研究発表要旨書式をご利用ください。
要旨提出期限:
令和8(2026)年10月31日(土)12:00必着